1. HOME > 学校設置反対の動きと経過 > 建築確認取消し審査請求

幸福の科学学園『建築確認取消し』へ議論。

2011年12月12日、幸福の科学学園・関西校の校舎棟・寄宿舎棟の「建築確認」に対して、
仰木の里の地域住民8,331筆の署名を伴う建築確認取消し審査請求が申請されました。

2012年6月1日には大津市建築審査会より「開発非該当判断を伴う請求棄却」という裁決が
下りましたが、2012年8月6日には大津地方裁判所に建築確認の取消を求める訴状が提出され、
建築確認に対する議論が未だ継続しています。

「建築確認取消し審査請求」提出の経緯

建設計画地は、東日本大震災で大きな被害が出たことで知られる「谷埋め盛り土」から成る
大規模傾斜地でありながら、今回の建設は地盤改良・擁壁工事などを一切行わない計画であることが判明し、
地域住民から地盤安全性に関する懸念が多く挙げられていました。

近隣住民は安全性確保の観点から、具体的な地質分析データ等に基づく説明を要求し、学園説明会、
中高層事前協議に係る説明会、自治会等からの質問状提出など、様々な形で要求しましたが、
学園・工事会社による要求に対する回答はありませんでした。

[関連コンテンツ]

清水建設による中高層事前協議説明会の行政報告の実態

説明なき工事強行着工。近隣住民が激しく抗議!!

この後、民間の検査機構から「建築確認」が下ろされたことを受け、
2011年12月12日、滋賀県大津市の建築審査会に対して、弁護団(弁護士19名で構成)による
建築審査請求の申請書が仰木の里住民の委任状署名とともに提出されました。

写真   署名提出の様子(写真提供:仰木の里まちづくり連合協議会)


特に、建築審査会での審理では、

 ・住民が再三再四求めていた地盤安全性を確認し得るデータの提出が期待できること

 ・建築・土木の専門家による分析/判断が得られること

 ・請求人である住民の主張を公開の場で具体的に訴える公開口頭審理の場があること

なども重要視されての請求でした。

「建築確認取消し審査請求」に対する審理の経過

2011年12月12日の審査請求の後、建築確認主による弁明書、弁明書に対する住民・弁護士による
反論書の交換が行われました。

その後、2012年3月1日には、幸福の科学学園・関西校の校舎棟・寄宿舎棟の建設確認に対する
取り消し請求について、大津市建築審査会による公開口頭審理が開催されました。

[建築審査会の公開口頭審理の様子]

号外・公開口頭審理 公開口頭審理 公開口頭審理 公開口頭審理








下記に、建築審査会の公開口頭審理前後の審査過程の概要を表にまとめます。
赤文字は申請人、青文字は処分庁が提出した資料をあらわします。
また、裁決書から判明した経緯、審理中に大津市で起こった出来事を緑文字で示します。

日付内容
2011年12月12日建築確認取消し審査請求
2011年12月26日大津市が署名委任状を含む書類確認完了、及び、請求人提出の書類に対し一部修正の依頼
2011年12月27日審査請求書の補正書提出(前日の大津市依頼分の対応)
2012年1月12日処分庁より弁明書提出
2012年1月24日(裁決書より)開発許可権者より開発許可を要しないとした判断理由の報告
2012年1月24日大津市 目片市長任期満了
2012年1月25日大津市 越市長就任
2012年1月25日現地検証申出書、参考人陳述申立書、物件提出要求申立書、証拠説明書提出
2012年1月30日反論書(1)提出
2012年2月10日処分庁より反論書(1)に対する再弁明書提出
2012年2月10日証拠説明書、公開口頭審査会の進行と現地検証実施に対する意見書提出
2012年2月14日(裁決書より)開発審査会にて、開発許可権者の判断を是とする見解が示される
2012年2月14日URより地下水排水施設に関する資料提出
2012年2月24日反論書(2)提出
2012年2月28日処分庁より地質資料などが提出
2012年3月1日建築審査会の公開口頭審理
2012年4月2日処分庁提出のボーリングデータ分析結果を含む最終反論書を提出
2012年4月11日処分庁が最終反論書に対する弁明書を提出
2012年4月16日請求人が「早期裁決を求める意見書」を提出
2012年4月18日建築審査会の審理開催(裁決に至らず)
2012年5月30日建築審査会での審理が結審
2012年6月1日請求人らに裁決結果通知

建築確認取消し請求での論点

学園の校舎棟・寄宿舎棟の建築確認に対する取消し請求では、その根拠として下記のような主張が行われています。

主には建築関連規定で定められた法基準を超える工事、及び、建築確認が前提としている「土地の開発行為」に対して、
『開発未了の疑義』と『事前の地盤改良・擁壁工事の必要性』を問う内容でした。


 ・大規模な「谷埋め盛り土」から成る計画地建設では、過去に地滑りが発生していたことが判明した一方で、
  現在は排水不良、周辺地盤の陥没・円弧すべりが認められるなど、なお地滑り兆候の現象が目視でも確認でき、
  危険であること。

 ・建築物と「物理的」「構造的」密接不可分とはいえない切土・盛土が存在すること。

 ・大津市の基準を超える土砂の搬出、及び、基準を超える高低差のある盛土/切土工事が存在すること。

詳細は、2012年3月1日に開催された公開口頭審理で請求人から述べられた論点を解説する
コンテンツよりご確認ください。

@  寄宿舎用地は過去に地滑りを起こしていた! 住民論述で次々に明るみになった驚愕の事実!!

A  地滑り発生を助長する建設予定地の排水不良の課題

B  建築確認の申請内容に関する違法性を指摘。図面と工事実態が不一致

C  処分庁は論述せず30秒で持ち時間を終了。 弁明書では「請求資格なし」と切り捨て!!

D  全国建築審査会で提言された建築審査会に期待される役割。

E  法解釈でも建築審査会での議論は妥当。 過去の判例に見る建築確認のあり方。

「開発非該当判断を伴う請求棄却」で結審。申請人らは開発非該当の"判断理由"に対して「不当」を表明。

幸福の科学学園・関西校の校舎・寄宿舎棟の建築確認取消し審査請求に対し、滋賀県大津市建築審査会で
結審された裁決の通知が2012年6月1日に行われました。

裁決の結果は、申請者らの請求人適格を認めたものの、本件の最大の争点であった開発該当に対する
指摘に対しては、「開発非該当判断を伴う棄却」という判断でした。

幸福の科学学園・関西校の校舎棟・寄宿舎棟に対する建築確認取り消し審査請求の裁決の詳細については、
仰木の里まちづくり連合協議会のホームページに裁決書の全文が公開されています。

[建築確認取消し審査請求に対する裁決文(全文掲載)]
建築確認取消し審査請求の裁決結果のご報告


  (仰木の里まちづくり連合協議会HP掲載)




裁決書によれば、「開発非該当」の判断の根拠として、大きく下記の4点が述べられました。


 ・2012年1月24日付けで開発許可権者より、開発許可を要しないとした判断理由の報告があった。
  ※注 : 開発許可権者=前大津市長。
     (前市長は、2012年1月に実施の市長選で落選したため、同1/24付で任期満了)

 ・2012年2月14日に大津市開発審査会より、開発許可権者の判断を是とする見解が示された。

 ・宅地造成法に基づく検査済書を受けた土地という理由で建築基準法第19条(敷地の衛生及び安全)の基準に適合する。

 ・地すべりのがけ崩れ等の被害については、UR及び大津市開発調整課への「聞き取り調査」の結果、問題無し。


この裁決を受け、仰木の里まちづくり連合協議会(まち連)と弁護団は6/1に記者会見、6/10には地元報告会を開催し、
裁決結果に対する見解を説明しました。

その中では、開発非該当の判断結果、及び判断理由について「不当裁決」である旨の表明がなされました。

まち連、及び、弁護団が「不当裁決」を表明した理由については、下記コンテンツより詳細をご確認ください。

[関連コンテンツ]
建築確認取り消し審査請求の裁決文に対する詳細解説

建築確認取り消しを求め、裁判所へ訴状を提出。

2012年8月6日、幸福の科学学園関西校の校舎棟・寄宿舎棟の建築確認取消を求める訴状が
大津地方裁判所に提出されました。

この訴状は、同建築物に対する審査請求に対して、去る2012年6月1日に大津市建築審査会が下した
「開発非該当判断を伴う請求棄却」という裁決を不服とする原告団234名と代理人弁護士19名により
提出されたものです。

また、訴状提出の直後には本件に関わる弁護団による記者会見が滋賀弁護士会の大会議室にて行われました。

写真
(訴状提出後の記者会見の様子)

記者会見では、原告団・弁護団より下記のような説明がなされました。


 ・大津市への情報公開請求において、大津市建築審査会の議事録を入手できており、議論の経過や裁決に至る
  判断理由を把握した上で、法廷で反論主張する準備が整ったこと。

 ・建築審査会の議事録によれば、当初申請人が期待した地盤安全性の疑義への実質的議論には、地質調査等が
  必要であり、期間・費用の理由で建築審査会の権限範囲では踏み込めないとの判断が示されており、地元住民が
  抱える不安の払拭には至らなかったこと。

 ・建築審査会への審査請求での主張と同様に、建築確認の前提となる開発行為該当性を主張すること。


今回の訴状提出により、幸福の科学学園関西校の校舎棟・寄宿舎棟の建築に対する議論は、
法廷を巻き込んだ新たな段階へと入りました。

[関連コンテンツ]
建築確認の取消しを求める訴状の徹底解説 審査請求棄却の経緯を議事録から詳細解説



建築確認取消訴訟 大津地裁 第1回口頭弁論は異例の別室審理へ

2012年10月11日、幸福の科学学園の校舎棟・寄宿舎棟に対する建築確認の取り消しを求める訴訟の
第1回口頭弁論が大津地裁で行われました。

当日は、仰木の里学区の住民を中心に多くの方が裁判所に訪れ、50名収容の傍聴席に対して
傍聴整理券が配布され、法廷で傍聴できない方が出るなど、非常に注目を集めた口頭弁論となりました。

口頭弁論では、冒頭に原告代表による意見陳述が行われ、建築確認の取り消しを求める背景として
地滑りに関する不安と、工事完了前での早期判断を求める要望が訴えられました。

そして、続く審理は、非公開の別室審理となる異例の展開となりました。

この別室審理は、提訴の後に裁判所に提出されていた訴状や答弁書に対して、裁判官が建築図面等を
具体的に指し示しながら、原告と被告の主張の異なる論点を中心に確認を行う作業が行われました。

また、今回の提訴では、建築確認の執行停止を求める訴えも行われていることから、
11月中に裁判所が判断を下せるよう、次回口頭弁論に向けた書面準備の日程調整も行われました。

口頭弁論後の原告団・弁護団による記者会見では、

・訴状に示した主要論点である「形の変更」の観点での開発該当性については、被告の反論もあるが、
 原告団が主張する内容は充分に伝わっているという感触が得られたこと。

・執行停止に向けた主張補充を至急行い、11月中に裁判所が判断を下せるよう、弁護団として努力すること。

が説明されました。


さらには、記者会見に先立ち、直近の建築に関する状況説明も行われました。

・訴訟と並行して進められている、大津市と住民指定の建築・土木の専門家を交えた協議会の経過

・大津市への情報公開請求により入手した開発該当性判断に関する情報

大津地裁での執行停止判断ならずも、建築計画に対して開発行為該当による実質的な違法性を示唆。

2012年11月9日、大津地裁において第2回 口頭審理が行われ、建築計画が法基準を超える切土を含むとして
原告弁護団による開発該当性の立証主張が重点的に行われました。

その議論を踏まえた2012年11月29日、幸福の科学学園の校舎・寄宿舎の建築工事を即時停止するかどうかの
判断を示した執行停止(=「仮処分」)に関する決定文が原告・被告に通知されました。

結果は、建築確認取消し訴訟の執行停止可否判断は、「緊急性があるとはいえないとして却下」。
しかしながら、「開発非該当とした大津市の判断には疑義がある」との示唆が示されました。

この決定文を踏まえ、原告・弁護団は記者会見を行い、下記のような見解を述べました。


  ・執行停止に関する大津地裁の結論は「重大な損害を避けるため緊急性が無い」として却下だった。
  
  
  ・地元懸念の地滑りについては「起こり得る」と否定されなかったことに加えて、
   開発行為該当の観点で建築確認の違法性が示唆された内容であった。
   仮処分を求めたことにより、「建築確認に対する違法性の疑いがある」という判断を早く引き出せた点は評価したい。

   今回の建築確認取消訴訟では、仮処分に加えて、建築確認の中身・法適合性を問う「本訴」の審理も行われ、
   その一部は、既に仮処分に関する審理の中で進行中のため、最終的に建築確認取り消しも期待できる。

  ・訴訟に先立って行われた大津市建築審査会では、最大切土が「1.8m」とされた判断は、今回の執行停止に関する
   決定文では「少なくとも1.93m」と覆っている。大津市の建築関連部局が深く関わって棄却した建築審査会の裁決の
   重要根拠が既に覆った事実は重く受け止めて欲しい。

  ・建築審査会・訴訟にまで発展した建築物の検査に対して、仮に法基準を超えた工事の疑義が発覚した場合には、
   工事検査完了済証の交付停止を含めた監督の役割をしっかり果たして欲しい。大津市長には文書でも要望していく。

「都市計画法違反の疑いあり」と大津市が指摘も、行政指導を無視して工事完了検査済書を発行。


学園工事に対して「執行停止による工事停止ならず」も「実質的な建築確認の違法性が示唆される」という結果を受け、
住民から大津市に対しては、法基準を超えた工事の疑義が発覚した場合には、工事検査完了済証の交付停止を含めた
監督の役割をしっかり果たして欲しいという要望が相次いで行われました。

大津市は要望に応えて、幸福の科学学園・関西校の建設工事現場に対して、2012年12月11日に立入り検査を実施。
2012年12月13日には、立ち入り調査の結果・見解を住民に伝える面談を行いました。

その面談では、驚くべき結果が伝えられました。

“計算上”も“計測上”も開発該当となる切土高が2mを超える地点が存在するといのです。

2012年12月17日には、「都市計画法違反の疑いがある」として、「建築物の完了検査済書を交付することは適切でない」
とする要請文書(文書番号:大都開第282号、まち連HPで公開)が、学園の建築確認を行った民間の建築確認機関に
対して送付された
ことも明らかになりました。

[関連文書 : 大都開第282号]
 大津市が学園工事に対して都市計画法違反の疑いを指摘した行政指導文書 (仰木の里まちづくり連合協議会HP掲載)

ところが、2012年12月21日、大津市の行政指導文書が送付される中、その制止を振り切り、
建築確認機関が検査済書を発行されていたという、地元住民にとっては信じがたい事態が発生しました。

これにより一昨年から行われた学園の建築工事は完了したことになります。
下記に一連の経緯をまとめます。

日付内容
2012年11月29日大津地裁より、学園工事に対する執行停止の判断「停止ならず」。
建築確認取消し訴訟と並行で工事継続。
2012年12月11日学園建設工事現場への立ち入り検査を大津市が実施。
"計算上"も"計測上"も切土高が2mを超える地点の存在が発覚。
2012年12月13日立ち入り検査の結果について、大津市長・建築関係部局と住民との面談。
大津市は「工事切土高が最低でも2.052mであり、開発該当」を認める見解を住民に説明。
清水建設に問い合わせた後に対応を検討すると説明。
2012年12月14日大津市、立ち入り検査での疑義に対する「意見書」を清水建設に提出
2012年12月17日大津市が「都市計画法違反の疑いがある」として、
「建築物の完了検査済証を交付することは適切でない」という行政指導文書を、
学園の建築確認を行った民間機関に対して発行。
2012年12月19日清水建設は、切土高が2mを超えたとされた地点で計画外に土を盛る“かさ上げ工事”を開始。
工事は時間外(20時)に及び、警察も指導する事態
2012年12月21日まち連が「立ち入り検査の結果に基づき、開発該当を認め、
つじつまあわせの工事は是認しないよう」求めた緊急要望書を提出。
工事完了検査済証が建築確認機関により発行
2012年12月25日幸福の科学学園関係者が工事完了に伴う式典「竣工感謝式」を実施。
2012年12月27日大津地裁に、2012年12月21日付の工事完了検査済証が提出される。
2013年1月9日に大津地裁で行われた第4回の口頭審理では、この工事完了検査済証が裁判上も確認されました。

裁判開始当初より、たとえ建築確認が違法であっても工事が完了すれば建築確認の取消しという
「“訴えの利益”がなくなる」ことが懸念されていましたが、その懸念が現実となる可能性が高まりました。

また、その後日談として、学園は、「工事完了検査済書が発行されており、地盤の安全は証明された」とする
趣旨の文書を地元・仰木の里自治連合会に送付しました。

しかしながら、大津市の行政指導文書を無視し、都市計画法違反の疑いを掛けられながらも発行された
工事完了検査済書を根拠として前面に打ち出した学園の説明は、計画当初から強行に進められてきたことを
自らが証明したとして地元には受け止められています。

[後日談]
学園校舎棟の建築工事完了検査済書が発行された後の2013年1月12日と1月14日の2回に渡って、
学園の工事を請け負った清水建設は、レンガをめくりあげ、更なる「是正工事」を実施しました。

この地点は、大津市が法基準を超える掘削工事を指摘した地点であり、測定上の切土高さが2mを超えないよう、
地面のかさ上げを行うことで辻褄を併せる後追い工事が公然と行われた可能性が指摘されています。

Next 私学審議会への学校設置不認可要求

Prev 議会・行政への働きかけ

Top 学校設置反対の動きと経過