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清水建設による中高層事前協議説明会の行政報告の実態

大荒れ! 建設工事に関する説明会。宗教法人の幹部と名乗る人物も。しかし・・・

大津市に対して2011年7月30日に行われた中高層建築物説明会に関するが開催されました。

結果的には、大津市はこの日の議事録提出を持って、中高層建築物工事の事前周知開始が認められた
形となっています。

この説明会の様子は、

Web記事 幸福の科学学園、地元説明会に教団幹部が紛れ込んで紛糾【録音データあり】

にも掲載されていますが、宗教法人の幹部なる人物、及び、今回の学校建設に仕事上関わりのある清水建設の
関係者が「住民席」側から説明会の成立性を訴える発言があり、住民を一層不安にさせる
出来事もありました。

しかしながら、後日、仰木の里まちづくり連合協議会のホームページに掲載された学園・清水建設が大津市に
提出した議事録を一読すると、一連の自治会との交渉の過程や、当日の様子は、実際の状況・内容と
大きく隔たりがあると思われます。

[関連コンテンツ] 7/30開催の中高層建築物の説明会に対する学園側議事録 (仰木の里まちづくり連合協議会HP)

議事録には、「説明会で回答できなかったこと」が記載

興味深いことに、7/30に行われた中高層建築物に関する説明会の議事録には、
主催者側が回答できなかった事項が明確に記載されています。

また、会場で清水建設が回答できなかった事項に対する回答も記載されています。

具体的な項目と回答は、下記の8項目に及んでいます。


項目@交通量、調査をすること −生徒・住民の安全対策
回答@今後調査し、報告いたします。
項目A資料の再提出 本日提示のものを含めて、文字を大きくしてほしい
回答A文字が読めるように修正した資料をコモンステージ仰木の里東自治会105軒分、仰木の里東2丁目自治会
175軒分を7月31日(日)に仰木の里支所に投函しました。
項目Bボーリングデータを提示してほしい
回答Bボーリングデータを開示できない旨説明したが、納得してもらえなかったので
引き続き納得いただくよう説明いたします。
項目C体育館前の道路の見え方、パース等
回答C今後建築設計の詳細についても工事説明会等を開催し、説明の機会を設けます。
項目D正面入り口のスロープなどの詳細
回答D今後建築設計の詳細についても工事説明会等を開催し、説明の機会を設けます。
項目E現況地盤面の図面
回答E現況地盤面の図面をもとに設計及び官庁協議している段階では、開示できません。
項目F住民説明会の再開についての見解
回答F今後とも継続して開催の方向で努力していきます。
項目G中高層説明会開催についての見解
回答G中高層の説明会の趣旨を何度も説明したが、ご理解いただけなかった。なお、今後も計画建物に関し、
ご質問ご意見がありましたら担当者にご連絡させていただければ対応させていただきます。
窓口は滋賀営業所の●●と●●です。

また今後、広く自治会役員の方々等と住民連絡会を定期的に開催し、住民不安の解消に向けて
対話をはかっていく方針です。出席いただける方々・説明の内容・進行のあり方・開催日程等の
調整を自治会様へお願い申し上げてまいります。
この議事録の「説明会で回答できなかったこと」の回答は、一見すると、今後も誠意ある対応していく旨が
書かれているように見えます。

しかしながら、なぜか説明会で議論の大部分を費やしたボーリングデータの件に関してだけは、
説明会の時と同様にボーリングデータを開示できないことを説明していくという回答となっています。

住民からの抗議申し入れ書に対する回答なし

7/30の説明会の後、説明対象となった自治会から清水建設の社長宛で「抗議申入書」として、
説明と謝罪を求める文書が送られています。

住民が説明を求めた事項は下記の10項目でした。(抗議申入書より引用、詳細は関連コンテンツ参照。)

(1) 日程調整をせずに一方的に開催したこと。

(2) 大津市に対して虚偽の報告をしたこと。

(3) 説明会は当初から1回だけで終了させる予定であったこと。

(4) 当日手許配布資料は、5月時点で町内に配布したA4サイズの見えにくい文字や数字のものであり、
   また必要な資料が配布されなかったこと。

(5) 住民が不安に思っていることについては真摯に受け止め、丁寧に説明する姿勢が全くなかったこと。

(6) 説明会において、住民席に複数の主催者側関係者が潜入していたこと。

(7) 関係業者に住民を装って「やらせ発言」をさせたこと。

(8) 宗教法人幸福の科学の常務理事○○○○なる人物の身元が判明した後に建設総監督として
   説明会を仕切らせたこと。

(9) 説明会が混乱により不調に陥ったにもかかわらず、中高層協議は完了しているとして、
   建築手続を進行させ、説明会開催責任を果たさなかったこと。

(10) 説明会全体にわたり住民に対する不誠実な対応や背信的な行為があったこと、
   また企業コンプライアンスを果たさなかったこと。

[関連コンテンツ]

抗議申入書(2011/8/5) (外部サイト: PDF形式、717kByte)

再抗議申入書(2011/8/7) (外部サイト: PDF形式、849kByte)

最初の抗議申入書は、幸福の科学学園、及び、清水建設が大津市に中高層事前協議に関する報告書を提出する
約1週間前に送付されていますが、議事録には抗議申入書に対する記載は見当たりません。

一方で、上記の抗議申入書に対する返信文書には、「書面の各項目につきましては、書面のうえで双方が
納得いくような説明を行うことが困難であると思われますので、改めて担当者から直接お話をさせていた
だきたいと存じます」と書かれています。


[関連コンテンツ]

再抗議申入書に対する回答(2011/8/11) (外部サイト: PDF形式、496kByte)

結局、核心に迫る部分の説明は、文書でも回答が得られない状態が続いています。
前提となる部分から説明がなされないままでは、建物等の説明そのものの信用性も疑われます。

大荒れの説明会部分は議事録からカット!?

7/30開催の中高層建築物の説明会に対する学園側議事録を見ると、もう一点の疑問が浮かび上がります。

主催者の議事録には、宗教法人の幹部なる人物、及び、今回の学校建設に仕事上関わりのある清水建設の
関係者が「住民席」側から説明会の成立性を訴えた発言については、記載が無いのです。


説明会進行のページをみると、「質疑応答 別添」に続いて、「御礼挨拶」という流れになっていますが、
説明会の御礼挨拶の項目には、「ご挨拶出来る雰囲気では、無かった」と書かれていますので、
この間に何があったかは、文脈からも想像がつくのですが、具体的には触れられていません。

閉会の御礼挨拶よりも前に起こったことに関しては、説明会での出来事です。

議事録は、学園・清水建設から大津市への公式な報告書となる文書なのですから、
報告の対象である説明会で起こった出来事は、事実は事実として記載し、報告すべきではなかったのでしょうか?