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処分庁は論述せず30秒で持ち時間を終了。 弁明書では「請求資格なし」と切り捨て!!


2012年3月1日、幸福の科学学園・関西校の校舎棟・寄宿舎棟の建設確認に対する
取り消し請求について、大津市建築審査会による公開口頭審理が開催されました。

ところで、建築確認を下ろした処分庁の主張はどのようなものだったのでしょうか?

建築確認の処分庁は、口頭審理では何も語らず

「新たに現段階で追加してお話しすることはございません。」

公開審理の傍聴席が思わず、ざわついた瞬間でした。
処分庁は、50分与えられた論述の時間に「何も語らない」という選択をしたのです。

「以上ですべての陳述が終了されたということでよろしゅうございますか?」

進行を努めた建築審査会の会長が聞きなおしたことからも、その発言の意外さがうかがえました。

確かに、公開口頭審理は厳密には議論の場ではなく、事前提出した書類に対して補足説明などを行う位置付けです。

ただし、事前に処分庁が提出した弁明書に対して、請求人から度重なる反論書が提出されていたことを考えると、
主張としての補足説明が無いということは、やはり「意外」と捕らえられたのではないでしょうか?

弁明書では「住民は訴える資格なし」と切り捨て!!

では、建築確認を下ろした処分庁は、どのような主張をしているのか見てみましょう。

平成24年1月12日に処分庁から提出された事前の弁明書によれば、
なんと処分庁は、『審査請求人としての適格性が無い』として請求を却下することを第一に求めていたのです。

傍聴席では、事前の弁明書を読むことが出来ない状況でしたか、後述の弁護士による論述の中で
『審査請求人としての適格性が無い』ことを主張する処分庁の主張が明らかになると、
傍聴席からは驚きの声が上がりました。

開発許可に関する審査については関知するものではないと主張

審査請求の議論の中で提起された土地安全性の疑義、開発該当に関して、
処分庁は、2012年1月12日提出の弁明書の中で、下記のように述べています。


 当機関が開発許可権者ではないこと、またその判断に適法性を審査するものでもないことから、
 関知するところではありません。


つまり、開発該当性については大津市が判断すべきであり、建築確認としては行政が発行した
書類を持って判断する以外に無いということを主張しているのです。

果たして、この主張は正しいのでしょうか?

その答えは、弁護士による論述パートにありましたので、そちらに説明を譲ることにします。

近隣住民は本当に請求人にふさわしくないのでしょうか?

処分庁の弁明書によると、『現時点』で具体的に利益が侵害されていないことが主張の論拠となっています。

しかしながら、住民論述で『事実』として示された具体的な危険兆候はやはり見逃せないのではないでしょうか?

ましてや、既に始まっている工事の影響で直隣の家屋が揺れるという苦情まで出ている中で、
直隣の住民は本当に請求人にふさわしくないと言えるのでしょうか?


専門家によれば、谷埋め盛土の土地で発生する地崩れ現象の特徴として、周辺地域を巻き込みながら
地盤崩落することが指摘されています。

また、過去に東北大学構内で起きたような、建物はそのままに、建物を支える地盤だけが無くなるような
崩落例も存在します。このような崩れ方となれば、直隣地域の家屋は確実に被害を受けます。

(東北大学構内で起きた地盤崩落の例)

東北大学構内で起きた地盤崩落の例










今回の建設地は20メートルを超える高さの大規模な谷埋め盛土で構成される土地であることが
判明しており、かつ、現時点で大規模な地崩れ発生の危険性が指摘されている中であっても、
請求人にふさわしくないと言えるのでしょうか?

現時点で被害が無くても、被害発生してからでは遅いのです。

処分庁は、8,000人に上る署名者の中で、比較的、建設区画から離れた土地の住民のみにスポットを当て、
『審査請求人としての適格性が無い』と主張していますが、明らかに直隣の区画に住む者に対する見解は
述べておらず、論拠の弱さを呈しています。

大津市は請求人適格性の判断に「自己矛盾」を持ち込むのでしょうか?

今回の審査請求を行った近隣住民の請求人適格性に関する議論は、
建築審査会が下す採決の結果によっては、今後、大きな禍根を残しそうです。

仮に、「近隣住民の請求人適格性が無い」とした場合には、大津市は大きな自己矛盾を
請求人である住民に突き付けることになります。

なぜなら、過去に大津市指導のもと実施されてきた中高層事前協議では、
工事の影響を受ける住民であると認定し、近隣住民を自治会単位で自ら指定していたのです。

果たして、中高層事前協議の時点では工事の影響を受ける対象者であって、
建築審査請求の時点では工事の影響を受ける対象者でないので請求人になり得ない、
という自己矛盾の判断に大津市行政は至るのでしょうか?


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