法解釈でも建築審査会での議論は妥当。 過去の判例に見る建築確認のあり方。
2012年3月1日、幸福の科学学園・関西校の校舎棟・寄宿舎棟の建設確認に対する
取り消し請求について、大津市建築審査会による公開口頭審理が開催されました。
請求人論述の最後は、弁護士によるまとめが行われました。
請求人論述の最後は、弁護士が論点を整理。
住民による地滑りに対する危険兆候の提起から始まった請求人論述は、
弁護士による論点整理と法解釈が示され、締めくくられました。
主な論点は、下記の4点となりました。
(1)審査請求人としての適格性は? (適格性ありと結論)
(2)開発行為該当性について、建築確認における処分庁に審査する権限があるのか?
(3)本審査請求において、建築審査会で開発行為該当性を審査する権限があるのか?
(4)申請された建築が、開発に該当するのか? (開発該当であれば、建築確認は取り消しとなる)
ここでは、(2)(3)(4)について、詳しく取り扱います。
建築確認を下ろした処分庁は、「開発行為に該当するか否かについて,
大津市から開発許可不要であるとの判断が下されており,処分庁の審査事項には該当しない」と弁明しています。
この主張に対し、請求人の弁護士は、下記の判例を提示しました。
つまり、
・建築確認を下ろした処分庁は、開発行為該当性を審査する立場に無い
・行政が発行した書類に記載された判定に沿った判断しか出来ない
とした主張に対して、過去にはその主張を覆す判例があることから、主張に妥当性が無いとしたのです。
つまり、「開発該当性の判断はすべき」という結論を判例より導いたのです。
この問い掛けに対して、下記の判例を挙げ、その妥当性が主張されました。
これだけの危険兆候が示された中で、『開発未了の疑い』が晴れたとは言い難いでしょう。
となれば、「瑕疵を帯びた建築確認処分」を正すべき建築審査会の議論の中で、
開発許可の要否を審査権限から除外することは許されない、むしろ審査することは義務であるとされました。
大津市の基準によれば、下記を超える範囲での建築は「開発該当」と判断されます。
ア 建築物等の建築自体と密接不可分な一体の工事(基礎工のための掘削等)
イ 土砂の搬出入のない地均し程度の行為 (但し、切土・盛土が50cm以内)
ウ 上記の外「通常の管理行為」
上記基準を示した上で、今回の建築に関しては、下記の理由で「形状の変更」に該当することが指摘されました。
・建築自体と「物理的」「構造的」密接不可分とはいえない切土・盛土が存在すること。
・50cm超の切土・盛土/2m超の切土・1m超の盛土が存在すること。
・土砂の搬出入が避けられない切土・盛土が存在。既に搬出が行われていること。
・各地の切盛面積はそれぞれ合計500u超であり法基準に違反。開発該当の事案であること。
・目に見える危険兆候が確認できること、申請後の度重なる追加工事の疑念から、開発未了の疑いは晴れず。
・開発要否に関する議論が必要。建築審査会で議論することは妥当な判断。
・法令基準を超える面積の盛土・切土が必要であり、建築確認の前提となる開発該当は明らか。
これらの論点を踏まえた、大津市の建築審査会での採決に注目が集まります。
公開口頭審理が開催。幸福の科学学園『建築確認取り消し採決』へ議論
@ 寄宿舎用地は過去に地滑りを起こしていた! 住民論述で次々に明るみになった驚愕の事実!!
A 地滑り発生を助長する建設予定地の排水不良の課題
B 建築確認の申請内容に関する違法性を指摘。図面と工事実態が不一致
C 処分庁は論述せず30秒で持ち時間を終了。 弁明書では「請求資格なし」と切り捨て!!
D 全国建築審査会で提言された建築審査会に期待される役割。
E 法解釈でも建築審査会での議論は妥当。 過去の判例に見る建築確認のあり方。
[新聞報道]
2011.3.1 京都新聞 大津の「幸福の科学学園」口頭審査会 130人傍聴
2011.3.1 びわ湖放送 幸福の科学学園」建設問題で公開審査会
2011.3.2 産経新聞 「幸福の科学」学園予定地は軟弱? 住民130人が公開審査会傍聴
2011.3.8 滋賀報知新聞 幸福の科学学園 住民側が違法性主張
弁護士による論点整理と法解釈が示され、締めくくられました。
主な論点は、下記の4点となりました。
(1)審査請求人としての適格性は? (適格性ありと結論)
(2)開発行為該当性について、建築確認における処分庁に審査する権限があるのか?
(3)本審査請求において、建築審査会で開発行為該当性を審査する権限があるのか?
(4)申請された建築が、開発に該当するのか? (開発該当であれば、建築確認は取り消しとなる)
ここでは、(2)(3)(4)について、詳しく取り扱います。
建築確認の処分庁に開発行為該当性の審査権限あり! 過去判例がその根拠!!
地盤安全性のための土地開発行為が必要かどうかについて、建築確認を下ろした処分庁は、「開発行為に該当するか否かについて,
大津市から開発許可不要であるとの判断が下されており,処分庁の審査事項には該当しない」と弁明しています。
この主張に対し、請求人の弁護士は、下記の判例を提示しました。
大阪地裁 平成21年9月9日判決 | 「建築主事等が知事の判断に拘束される法律上の根拠がない」 「開発行為に当たるかどうか、開発許可がされているかどうかなど、 建築主事等の技術的判断が可能」 |
京都地裁昭62.3.23判決 大高昭63.9.30 | 「規則60条の証明書は建築主事が建築計画が都市計画法29条の規定に 適合するかを判断する資料であって、建築主事はその証明に絶対的に 拘束されるものではない」 |
・建築確認を下ろした処分庁は、開発行為該当性を審査する立場に無い
・行政が発行した書類に記載された判定に沿った判断しか出来ない
とした主張に対して、過去にはその主張を覆す判例があることから、主張に妥当性が無いとしたのです。
つまり、「開発該当性の判断はすべき」という結論を判例より導いたのです。
過去の判例文の解釈により、建築審査会で開発行為該当性を審査するのは義務!
では次に、本件の審査を行う建築審査会では、開発行為該当性の議論が可能なのでしょうか?この問い掛けに対して、下記の判例を挙げ、その妥当性が主張されました。
横浜地裁 平成17年2月23日判決 | その判断(=開発行為該当性の判断)に誤りがある場合には、都市計画法29条1項に 適合しないのであり、かかる判断を前提とする建築確認処分も瑕疵を帯びる。 そうでないと、その違法を争う道がなくなり、司法的救済を図った行政事件訴訟法の 趣旨・目的に反し、合理性を欠くと述べています。 |
となれば、「瑕疵を帯びた建築確認処分」を正すべき建築審査会の議論の中で、
開発許可の要否を審査権限から除外することは許されない、むしろ審査することは義務であるとされました。
校舎棟・寄宿舎棟建設は「開発該当」! よって「建築確認も不当」と指摘!!
請求人論述の最後は、主に「形状の変更」の観点での開発該当性が指摘されました。大津市の基準によれば、下記を超える範囲での建築は「開発該当」と判断されます。
ア 建築物等の建築自体と密接不可分な一体の工事(基礎工のための掘削等)
イ 土砂の搬出入のない地均し程度の行為 (但し、切土・盛土が50cm以内)
ウ 上記の外「通常の管理行為」
上記基準を示した上で、今回の建築に関しては、下記の理由で「形状の変更」に該当することが指摘されました。
・建築自体と「物理的」「構造的」密接不可分とはいえない切土・盛土が存在すること。
・50cm超の切土・盛土/2m超の切土・1m超の盛土が存在すること。
・土砂の搬出入が避けられない切土・盛土が存在。既に搬出が行われていること。
・各地の切盛面積はそれぞれ合計500u超であり法基準に違反。開発該当の事案であること。
請求人論述のまとめ
請求人による論述を総括すると下記のようになります。・目に見える危険兆候が確認できること、申請後の度重なる追加工事の疑念から、開発未了の疑いは晴れず。
・開発要否に関する議論が必要。建築審査会で議論することは妥当な判断。
・法令基準を超える面積の盛土・切土が必要であり、建築確認の前提となる開発該当は明らか。
これらの論点を踏まえた、大津市の建築審査会での採決に注目が集まります。
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@ 寄宿舎用地は過去に地滑りを起こしていた! 住民論述で次々に明るみになった驚愕の事実!!
A 地滑り発生を助長する建設予定地の排水不良の課題
B 建築確認の申請内容に関する違法性を指摘。図面と工事実態が不一致
C 処分庁は論述せず30秒で持ち時間を終了。 弁明書では「請求資格なし」と切り捨て!!
D 全国建築審査会で提言された建築審査会に期待される役割。
E 法解釈でも建築審査会での議論は妥当。 過去の判例に見る建築確認のあり方。
[新聞報道]
2011.3.1 京都新聞 大津の「幸福の科学学園」口頭審査会 130人傍聴
2011.3.1 びわ湖放送 幸福の科学学園」建設問題で公開審査会
2011.3.2 産経新聞 「幸福の科学」学園予定地は軟弱? 住民130人が公開審査会傍聴
2011.3.8 滋賀報知新聞 幸福の科学学園 住民側が違法性主張