大津市建築審査会に対して早期裁決を求める意見書を提出。建設地の斜面部分は既に変位発生。
現在、滋賀県大津市の建築審査会では、幸福の科学学園・関西校の校舎棟・寄宿舎棟に対する
建築確認取消し審査請求に対する審理が行われています。
直近では、2012年4月18日に審査会が行われましたが、裁決の結論は出ず、
5月の建築審査会に審議持ち越しとなりました。裁決確定までに時間が係る様相です。
このような中、請求人から大津市建築審査会に対して、2012年4月16日付で
「早期裁決を求める意見書」が提出されていたことが明らかになりました。
今回は、公開口頭審理以降の経過と、提出された意見書の詳細を取り上げます。
処分庁からの開発地ボーリングデータ提出の事実が明らかに! 請求人らは分析結果・反論書を提出へ
下記に、建築審査会の公開口頭審理前後の審査過程の概要を表にまとめます。
日付 | 内容 |
---|---|
2011年12月12日 | 建築確認取消し審査請求 |
2012年2月末 | 処分庁が建設用地のボーリングデータ提出 |
2012年3月1日 | 建築審査会の公開口頭審理 |
2012年4月2日 | 処分庁提出のボーリングデータ分析結果を含む最終反論書を提出 |
2012年4月11日 | 処分庁が最終反論書に対する弁明書を提出 |
2012年4月16日 | 請求人が「早期裁決を求める意見書」を提出 |
2012年4月18日 | 建築審査会の審理開催(裁決に至らず) |
しかしながら、請求人が提出した資料が多量であったこと、公開口頭審理にて請求人側の専門家に対して、
参考人尋問が行われたことから、短い期間での裁決が困難と見られていました。
さらには、審理期日の直前になって、処分庁が建設用地のボーリングデータを提出していたことが判明しました。
これを動きを受け、請求人らは処分庁提出のボーリングデータを解析し、最終反論書の提出を行いました。
このように、公開口頭審理の後にも、反論書・弁明書の交換が頻繁に発生した影響もあり、
2012年4月18日に開催された建築審査会では、裁決に至らなかったと思われます。
既に建設地の法面変位が確認可能。請求人らは、早期裁決を求める意見書提出へ。
大津市建築審査会に提出された「早期裁決を求める意見書」
(2012/4/16提出)
このような中、請求人らは、早期裁決を求める意見書を大津市建築審査会に提出しました。
今回の「早期裁決を求める意見書」では、下記の2点が意見されました。
(1) 請求理由として述べていた地すべり懸念への考慮
建設地の法面(斜面部分)の変位が工事により激しくなってきており、肉眼でも変形が確認できます。
このまま工事が進行して梅雨の時期を迎えると、法面の地すべりの危険が近接居住者である請求人ら
の一部に降りかかる可能性があると意見されました。
(2) 臨時審査会の開催と早期裁決の要望
通例として建築審査会は「1ヶ月に1回」の開催とされています。
しかしながら、一方、建築基準法第94条第2項では、「建築審査会は、前項の規定による審査請求を
受理した場合においては、審査請求を受理した日から1月以内に、裁決をしなければならない。 」と規定し、
審査請求書が受理されてから1ヶ月以内に裁決をすることを求めています。
この趣旨と、工事進行による地滑り発生懸念を鑑み、連休前後での臨時審査会の開催・裁決が要望されました。
この意見書で特筆すべきは、「建設地の法面(斜面部分)の変位が工事により激しくなっている」ことでしょう。
平日・休日を問わず、早朝から日没後まで猛スピードで進められる工事により、
当初、住民が指摘していた懸念が現実のものになっています。
このような状態は、地域に理解された学校設置の過程にふさわしい状態といえるのでしょうか?
今後の対応に変化が見られるのか、安全配慮はあるのか、施工関係者の対応にも注目が集まります。
[大津市に提出された建築確認取消し申請の関連記事]
@ 寄宿舎用地は過去に地滑りを起こしていた! 住民論述で次々に明るみになった驚愕の事実!!
A 地滑り発生を助長する建設予定地の排水不良の課題
B 建築確認の申請内容に関する違法性を指摘。図面と工事実態が不一致
C 処分庁は論述せず30秒で持ち時間を終了。 弁明書では「請求資格なし」と切り捨て!!
D 全国建築審査会で提言された建築審査会に期待される役割。
E 法解釈でも建築審査会での議論は妥当。 過去の判例に見る建築確認のあり方。