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議会答弁に見る滋賀県の見解、地盤安全性懸念に対して深まる疑問

2011年9月度滋賀県定例議会が行われました。その中で幸福の科学学園関西校に関連した質疑が
9/27に沢田議員、9/28に成田議員より行われ、総務課長、滋賀県知事による答弁がありました。

議会の様子については、滋賀県議会のHPに録画動画が掲載されていますので、そちらを参照ください。
(下記のリンクより参照ください。なお、動画には他の答弁内容も含まれています。)

私立学校の開設問題について(動画の前半部分)


幸福の科学学園の学校建設にかかる諸課題について(動画の後半部分)

懸念は地域連携、地盤問題


9/27の議会では、「私立学校の開設問題について」という枠組みの中で沢田議員による質疑が行われました。

主な答弁の内容は下記のようなものでした。

質問@大津市議会で不安解消に向けた請願が採択されている。住民不安の解消に向けて何を把握していて、
何が問題だと認識しているか?
回答@住民からも直接話を聞いた。知事宛に要望書も見ているが説明が充分でない、大規模施設なので不安
というの背景があると受け止めている。 (回答者 : 総務部長)

質問A学校活動は100年、150年続くもの。県も私学助成で予算を使う。子どもが安心して勉強に励み、
寮では暮らしを守らないといけない。説明が充分でないという中には地盤安全性の問題があると認識している。
どのように私学審議会ではチェックしていくのか?
回答A県は、国が定める設置基準、県が定める審査基準に基づいて適合性を判断する。
私学審議会でも基準に照らし合わせて審議している。県の責任と権限に基づいて手続きを進める。
(回答者 : 総務部長)
また、沢田議員は答弁の最後を「学校は地域の皆さんの理解が必要。それで地域と学校が連携できる。
私学審議会は継続審議だと聞いているので引き続き審査をお願いしたい。」
と締めくくっています。


また、9/28の議会では、「幸福の科学学園の学校建設にかかる諸課題について」と題して、
成田議員による質疑が行われました。

主な答弁の内容は下記のようなものでした。

質問@3万人の反対署名が提出された。地域の思いを知事はどう受けとめているか?
回答@8/26の署名提出時に代表者とも話をした。学園の説明不足、大規模な施設設置への
不安があると受け止めている。(回答者 : 知事)
質問A4者協議も議論が尽くされていない。地元への説明不足をどう思うか?
滋賀県として不安解消に向け、どのように関わっていくか?
回答A私学審議会において、今後も継続して地元説明と協議を重ねていくことが求められるという意見があり、
申請者に直接伝達した。
私立学校の設置認可という県の権限の中で対応していきたい。(回答者 : 知事)
質問B学校設置の審査基準にも立地条件で土地の安全性、安全崖崩れについても明記されている。
この基準に対して本当に妥当かどうかという観点で、地盤の安全性について専門家に証明してもらう
必要があるのではないか?

大津市でも大規模盛土造成地の安全の確認が全市的な課題であり、
昨年より調査を行ってるが、もう少し調査を行わないと詳しいことはわからないと話を聞いています。
回答B不安の要因として、宅地造成に関する工事への不安が存在する。
地盤の安全性については大津市が検査済みの証明書が交付している。
県の権限でいえる話ではなく、宅地造成については大津市で責任を持ってもらえると理解している。
(回答者 : 知事)

地盤の安全性への見解は、なぜ大津市の見解と不一致?

澤田議員、成田議員による質問により、初めて滋賀県の県議会という場において、
幸福の科学学園関西校の建設が議題に取り上げられました。

その中で注目すべき点が2点ありました。

[観点1] 地域への説明不足

今回の議会答弁にて、知事と総務課長という複数の要職者より、申請者である幸福の科学学園の
説明不足に言及しています。

特に知事答弁においては、私学審議会から今後も継続して地元説明と協議を重ねていくことが求められ、
申請者に直接伝達したと発言がありました。

これは、学園側が十数回に渡り説明会を実施していると主張している点を踏まえても、
なお、このような議会答弁となったという事実は重く受け止める必要がありそうです。

また、9/10に行われた行政、学園、UR、住民の4者の協議会の内容を踏まえても、適切な進め方で地域への
説明責任が果たされているか行政としての指導・監督責任も求められることになりそうです。

[関連コンテンツ]

行政、学園、UR、住民の4者の協議会の内容 (仰木の里まちづくり連合協議会HPへ)

9/10の4者による協議会に関する新聞報道


[観点2] 地盤の安全性は大津市が保証する?

成田議員の質問Bに対して、知事は「不安の要因として、宅地造成に関する工事への不安が存在する」と
前置きした上で、

・地盤の安全性については大津市が検査済みの証明書が交付している。

・県の権限で言える話ではなく、宅地造成については大津市で責任を持ってもらえると理解している。

と回答しています。

しかしながら、一方で、大津市は学校設置基準における地盤の安全性を保証していないと断言しています。

[関連コンテンツ]

幸福の科学学園関西学校の地盤に関する大津市の認識


滋賀県は大津市が発行した検査済証を持って、大津市が学校用地としての安全性を保証していると
解釈できるような発言を行っていますが、このような滋賀県の見解と大津市の見解の相違はどのように
考えればよいのでしょうか?

大津市が発行した検査済証の発行基準は、URが造成した当時の宅地造成法への適法性であって、
国が定める学校設置基準、県が自らが定めた学校設置の審査基準の観点で、
地盤の安全性の審査した結果については答弁が無く、議論が行われたのか疑問が残ります。

いずれにせよ、滋賀県議会という公の場で、住民が言質を取った大津市の発言・見解が否定される
という結果の答弁となりました。


今後の行政、議会での議論がますます注目されます。