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なぜ地域に「のぼり」が立ち並ぶのか?

理由は、幸福の科学学園職員・宗教法人幹部・清水建設らの行為が引き金に。


地域連携が進まない理由を考える

2013年2月6日、知事の諮問機関である滋賀県・私学審議会が開催され、
幸福の科学学園・関西校の学校設置について「認可を適当と認める」との判断がなされました。

この判断により、2013年4月から開校をされることになった幸福の科学学園・関西校。

しかし、学園校舎・寄宿舎のある仰木の里では学園の進出に「断固反対」の意思を表明する
900本を超える"のぼり"が立ち並び、このまま開校を迎えようとしています。

このような状態に至るまでには、いったい何があったのでしょうか。

進みかけた住民説明会の頓挫から、仰木の里の時計は止まったまま。

学園の建設・設置計画が突然・新聞記事により発覚した2010年の秋、隣接自治会の役員への
挨拶が学園によって行われ、まもなく住民説明会が開催されることになりました。

その背景には「新聞報道以前には、何の事前相談も無かったため驚いている住民が多い。
住民への影響も大きいので、学園自身が住民個々に直接説明して欲しい」という要望が
多くの自治会から上げられたためでした。

しかし、学園は日程の調整もせず、一方的に住民説明会を開催しました。
日程重視のためでしょうか。直隣自治会に至っては、5km以上離れた場所で説明会を
セッティングされたりもしたのです。

その理由を問いただすと、学園副理事長から「次は日程調整して、ちゃんと集まれる
時間・場所で説明会をやります。」「何回も説明させていただきます。」と発言があったため、
住民は学園職員の言葉を信用し、次回の説明会の日程調整がなされることを期待しました。

また、学園に対しては、住民から質問を文書で提出すれば答えるとされたため、以前から
不安視されていた学園用地の地盤安全性の疑義に関する質問や、学校での教育内容に
関する質問等が文書提出されました。

[関連コンテンツ]
幸福の科学学園、住民説明会はぐだぐだ=大津市 (やや日刊 カルト新聞)

しかし、そこから学園の態度の硬化が始まります。
住民説明会は、住民の要望に反し、様々な理由を付けて学園側が拒むようになりました。

この結果、仰木の里住民の学園建設反対の声が大きくなっていったのです。

「最大最強の敵」「中高層協議でのやらせ発言」・・・ 学校事業者への不信が増大

そんな中、住民にとって信じがたい出来事が発覚します。

学園副理事長が学園母体である宗教法人の「教育事業成功大会」(2011年6月18日開催)
という行事で、不特定多数の信者に向けて「住民は最強最大の敵」と発言していたのです。

住民が事実関係を問いただすと「発言はなかった」とされ、謝罪もありませんでした。
しかし、2013年2月、その様子がYouTubeに掲載され、映像証拠により発言は揺ぎ無い事実
であることが判明しています。

[関連コンテンツ]
幸福の科学学園幹部が敵対宣言!「反対派住民は最強最大の敵」(やや日刊 カルト新聞)

【映像流出!】幸福の科学学園をめぐる教団の内情が明らかに(やや日刊 カルト新聞)

さらに、住民と学園との信頼関係の溝を決定的にする出来事が起きました。

中高層事前協議説明会において、宗教法人の幹部と学園建築を請け負った業者関係者が
住民になりすまして発言し、「住民は賛成である」とするヤラセ行為が行われたのです。

[参考コンテンツ]
幸福の科学学園、地元説明会に教団幹部が紛れ込んで紛糾【録音データあり】

幸福の科学学園関西校・清水建設の説明会  (Youtube)

中高層事前協議説明会は工事着手にあたり、唯一、法的に説明が義務付けられた説明会でした。

住民説明会が拒否される中、建築に関わる地盤への不安を払拭する機会として、
住民が説明を聞き、質問や地質調査資料の提示の要求をしたものの、調整が平行線を辿っていた
状況下で突然発生した「ヤラセ行為」に対して場内は騒然。説明会は大紛糾のまま時間切れとして
打ち切られました。

説明会の直後から、説明会での行われた行為に対する謝罪と説明会のやり直しの要望が
住民より文書で提出されました。しかしながら、未だに謝罪は行われていません。

建築を是とする発言は、大津市への報告書の中で「住民が建築に同意した」と残すためのもの
と想像され、実際に、情報公開で住民が入手した議事録では、紛糾した様子は一言も書かれて
いませんでした。

その後、工事着手前の説明会も拒否。工事が始まりました。

休日工事は当たり前。深夜・早朝・徹夜の工事が幾度と無く繰り返されたため、
住民が抗議を行いましたが状況は改善されませんでした。

清水建設は「住民の要望に答えないのは施主の意向」として相手にしませんでした。

このように仰木の里には、学園の職員関係者が、宗教法人を巻き込みながら
地元住民を徹底的に無視し、侮辱する行為が行われ続けてきた過去があるのです。

そして、このようなトラブルを重ねる度に、仰木の里に"のぼり"が増えていきました。

仰木の里住民が「対話会」ではなく「住民説明会」にこだわる理由

滋賀県・私学審議会を運営する滋賀県総務部総務課に対しては、学校設置の計画承認の
位置付けにあたる、いわゆる「一時認可」が行われた直後から「対話会」を通じて地域住民に
理解を得るとしてきました。

しかし、住民は対話会には応じませんでした。

その理由は、過去の住民に行った行為に対する「学園関係者による住民への謝罪」と
「そのような行為に至った理由の説明」を求める文書が"「対話会」の話が起こる前"から
提出され、住民説明会での釈明を求め続けていたためです。

過去に積み上がった質問・要望に答える形式の「住民説明会」を拒否し続ける一方で、
話し合いの論点も参加対象も曖昧な「対話会」により目先を変えようとする学園の対応は、
到底認められないものでした。

学園は「のぼりがいじめに繋がる」と主張し撤去を要求も、原因は学園自身にあり

これまで見てきたように、地域に"のぼり"が立ち並び、増加を辿った理由は、

・住民説明会の拒否

・住民に対する「最大最強の敵」発言

・中高層協議説明会でのヤラセ発言

・建築工事の強行

などの具体的な出来事が次々と発生し、地元住民としては容認できないためです。

そして、"のぼり"による意思表示の矛先は、学園の副理事長をはじめとする職員、
中高層説明会で登場した宗教法人の幹部、建築業者に向けられていることは明らかです。

一方で、このように具体的な心当たりがあるはずの学園は、2013年4月の開校を控え、
チラシ等で「のぼりがいじめに繋がる」として撤去を主張するようになりました。

しかしながら、のぼりが立ち並んだ理由を差し置いて、論点をすり替えるような要求を行う行為は、
逆に、過去に行われた行為に対して反省せず、今後も学園は自身の都合を一方的に伝えてくる
可能性を孕んでいると受け止められても仕方がありません。

学園の反省が具体的に示され、住民が求めた質問への回答が誠実に行われることを通じて
信頼回復に至るまでは、のぼり撤去の要求が住民に受け入れられることは無いでしょう。

学園が地元に行った過去の行為は、「学校の設置認可」という結果の押し付けでは、
何も解決を生まないでしょう。