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中日新聞 2012年11月26日 新聞記事近づく開校、決着は? 幸福の科学学園(引用)

[掲載時URL] http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20121125/CK2012112502000011.html


近づく開校、決着は? 幸福の科学学園

学校法人「幸福の科学学園」が大津市仰木の里東で建設を進めている中学と高校の校舎が年内にも完成する。
学校をめぐっては、建設に反対する周辺住民が建築確認の執行停止を大津地裁に申し立てており、地裁は
月内にも決定を出す見通し。県による認可の基準は満たしているとみられるが、この結果によって来年四月に
予定される開校の可否が左右される。

この学校は「幸福の科学学園関西中学校・高校」。男女共学で、第一期生の入学は中学一年を七十人、高校一年は
百人を予定。七万九千平方メートルの用地に、地下二階地上二階の校舎や、四階建ての寄宿舎、運動場などを設ける。
通学の生徒も受け入れる。

学園は宗教法人「幸福の科学」が母体。学校法人が昨年十一月に大津市で開いた記者会見で、
幹部は「幸福の科学の教えを据えながら、未来の日本や世界に責任を負える人材を育てたい」と語った。
幸福の科学の信者以外も入学できるという。

これに対し、一部の周辺住民が二年ほど前から、開校に反対する運動を展開している。

今年八月には用地の地盤に安全性の問題があり開発許可の手続きが必要だとして、建築確認を出した民間の
確認検査機関を相手取り、建築確認の取り消しを求める行政訴訟を起こし、併せて建築確認の執行停止も申し立てた。
住民側は、用地の地盤に地滑りの危険性があると主張している。

地盤の安全性をめぐり、住民は市とも七〜十月に計三回の協議をしたが、議論は平行線のまま。
市側は、行政訴訟でも同じような争点で係争中のため、住民側にいったん協議を停止することを申し出ている。

学校設置は県私学審議会の答申を受けて最終的に知事が認可する。答申は建物の完成後に行われる見通し。
審議会は昨年八月、国や県の基準への適合性を話し合った。

この結果は非公開だが、県総務課は「各委員に納得してもらい、異論はなかった」と説明し、基準を満たしていること
を示唆している。

ただ、審議会内部には慎重姿勢の委員も。本紙の取材に一部の委員は「住民が反対しているのに、もう少し話し合う
時間が必要では」「あれで良かったのか悩んでいる」と答えた。一方、県は「住民の気持ちはあると思うが、
法に従って粛々と判断することになると思う」(総務課の担当者)と話している。

学園によると、八月の現地見学には入学希望者三百人が訪れた。しかし、仰木の里学区自治連合会は、
地域への説明が不十分なことと、用地の安全性に問題があるとして開校を容認しない姿勢だ。